日傘に、ハーフパンツに、ファン付きベストまで――。6月から厳しい暑さが続いた今年、学校現場では子どもたちを熱中症から守るため、様々な工夫が凝らされた。
各地の小中学校で18日、1学期の終業式があった。
2学期制の埼玉県熊谷市立熊谷東小学校では夏休み前の最後の登校日。「朝ご飯をしっかり食べて、元気に過ごしてください」。この日の朝、吉野富夫校長(59)は児童にこう呼びかけた。午前11時過ぎ、児童たちは色とりどりの日傘を差し、一斉に下校した。
6月から厳しい暑さが続いた今年、学校現場では子どもたちを熱中症から守るため、様々な工夫が凝らされている。
気象庁の観測史上、全国1位の最高気温41.1度(2018年7月23日)を記録したことのある熊谷市。暑さから子どもたちを守ろうと、市は20年度から日差しの強い日に雨傘を差すよう呼びかけていた。
ただ、雨傘は遮光などの性能がいまひとつで利用も進まなかった。そこで、UVカット率や遮光率がともに99%以上の子ども用の日傘を独自に開発。22年度に市内に住む小学生を対象に約9千本を無償で配布した。
23、24年度は1年生を対象に配り、3年間の事業が終了したが、市内ではすっかり子どもたちの「日傘登下校」が定着。配布した日傘のほか、自分で購入した好きなデザインの日傘を使う児童の姿が見られるようになったという。
地域からアイデア「ファンベスト」無償貸与
登下校中の暑さ対策の取り組…